サラリーマン作家が作品・道具・手法を紹介します。

カードケース②(風琴マチ)製作日記~Day5~

 
あやちゃん
前回はメインポケットの組み立てまでやったから今日はその続きからかな?
 
こうちゃん
そうだね。前回作ったメインポケットと本体パーツを組み立てていくよ!前回の記事をまだ見ていない人はまずそちらからご覧ください。
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←Day3Day5→ あやちゃん前回は染色とメインポケットのパーツの仕上げをやったけど、今日は何をするの? こうちゃん今日はメインポケットパーツの組み立てをやっていくよ![…]

 
こうちゃん
それではさっそく始めていくよ!今回で完成させるつもりだから頑張っていくよ!!
 
あやちゃん
ついに完成するんだね!楽しみだなぁ!

本体&被せポケットのコバ処理

本体のメインポケット側の端面と被せポケットの入口のコバ処理を行っていきます。

メインポケット側の端面はヘリ返しを行おうと思っていたのですが、染色した時に水分を含ませたせいで革が縮んでしまい、ヘリ返しの寸法分短くなってしまいました。

そのため、ヘリ返しを行わずそのままコバ処理を行うことにしました。

まず、ヘリ落としで本体のメインポケット側の端面と被せポケットの入口の角を落としていきます。

次に、コバを染色していきます。

今回染色に使用するのはAmazonで購入したらくぬーりという商品。

固めのスポンジのようなもので、イメージとしてはマジックの先端部分のような感じです。

小さくカットしたものをクリップ等で挟み、染料を浸み込ませて使用します。

染料はローパスバチックの緑と紺を2:1で混ぜ合わせました。

らくぬーりは程よい硬さで非常に塗りやすかったのでおすすめです。

そして、トコノールを塗って、ウッドスリッカーで磨いていきます。

仕上げにフチ捻で捻引きしていきます。

染色の時に水分を含ませたので革が引き締まって固くなっていた為か、今までで一番きれいに捻引きできた気がします。

これで、コバ処理の完了です。

本体とポケットの組み立て

続いては本体と前回作成したポケットパーツを組み立てていきます。

メインポケット(前側)の接着

まず、メインポケット前側と本体を接着していきます。

型紙をもとに本体の接着箇所に印を付けて端から3mmの位置にディバイダーで線を引いていきます。

次に接着箇所をNTドレッサーで荒らしていきます。

そして、白ボンドを塗り、貼り合わせていきます。

メインポケット(前側)の縫い合わせ

次に先程貼り合わせた箇所を縫い合わせていきます。

ディバイダーで端から3mmの位置に縫い線を引いていきます。

そして、3mmピッチの菱目打ちで印を付けて、菱ギリで穴を貫通させます。

今回は穴を小さく仕上げたかったので菱ギリで貫通させる方法をとりました。

縫い穴が開いたら、縫い合わせていきます。

先日五助屋レザーさんで購入したユーフィンポリブレイドという糸を使用しました。

ツイッター等で評判がよく、気になっていたので使うのが非常に楽しみでした。

色はネイビーブルーで太さは0.45mmです。

今まで使用したエスコードやビニモMTBは撚糸だったのに対し、ポリブレイドは組み紐になっているので撚りを気にせずきれいな縫い目に仕上げることができました。

また、穴を通る感じが非常に滑らかで、癖になりそうです(笑)

もうほかの糸は使えないかもしれません(笑)

メインポケット(前側)のコバ処理

縫い終わったら、コバ処理を行っていきます。

ヘリ落としで角を落とし、サンドペーパーでコバを整えていきます。

始めは#320を使用します。

この時一方向にヤスリ掛けすると毛羽立ちを抑えられる気がします。

続いてコバを染色し、トコノールを塗ってウッドスリッカーで磨いていきます。

ここで終わりにしてもいいのですが、ピカピカでツルツルなコバが好きなので、さらに磨いていきます。

手順は以下の通り。

  • サンドペーパー#600で凹凸を無くしていく。
  • 染料をぬる。
  • トコノールを塗る。
  • ウッドスリッカーで磨く。

この作業を納得のいくコバが出来上がるまで繰り返していきます。

仕上げにサンドペーパー#1000に変えて同様の作業を行い、コバ処理の完了です。

メインポケット(後側)と被せポケットの接着

続いてはメインポケットの後ろ側と被せポケットの接着を行っていきます。

接着面をNTドレッサーで荒らして、白ボンドを塗布して貼り合わせます。

ローラーでの圧着が難しいところはクリップを使用して固定しています。

そのままだと跡が付いてしまうので、間に革の端切れを挟んでいます。

同様に被せポケットも白ボンドを塗布して貼り合わせます。

そして、100均で購入したクッキーローラーを使用して圧着させます。

貼り合わせたら、コーナーをR形状に切り落としていきます。

ボタン電池を使用してR形状をけがいていきます。

そして、革包丁で裁断します。

この時、一回で裁断するのではなく、下図のように数回に分けて直線的に切り落とし、ヤスリで形状を整える方がきれいにR形状を作り上げることができると思います。

メインポケット(後側)と被せポケットの縫い合わせ

パーツの貼り合わせが終わったら、ディバイダーで端から3mmの位置に縫い線を引いていきます。

縫い線が引けたら、3mmピッチの菱目打ちで縫い穴の印を付けて、菱ギリで貫通させていきます。

縫い穴が開いたら、ポリブレイド0.45mmのネイビーブルーで縫っていきます。

縫い上りはこんな感じです。

メインポケット(後側)と被せポケットのコバ処理

縫い終わったら、コバを整えていきます。

まず、ヘリ落としで角を丸くします。

続いて、サンドペーパーで凹凸を均し、ローパスバチックで染色し、トコノールを塗布してウッドスリッカーで磨く作業を繰り返していきます。

手順はメインポケット(前側)のコバ処理と同様で、ピカピカでツルツルのコバになるまで行います。

これで、すべての工程の終了です。

まとめ

初めて挑戦した風琴マチのカードケースが完成しました。

今回の作品を製作していく中で、良かった点・反省点は以下の通り。

  • 風琴マチの作り方を自分なりに考え、形にできたこと。
  • 広い面積の染色を始めて行った。はじめはムラができてしまったが、染料を水で薄めて重ね塗りすることでムラなくきれいに染め上げることができた。
  • 今までで一番きれいに捻引きができた。染色して水分を含ませたため革が引き締まって固くなったおかげでいつもより捻引きしやすい印象であった。
  • パーツを切り出してから染色を行ったため、パーツが縮んでしまい想定していたより出来上がりの幅が小さくなってしまった。手順としては荒裁ち→染色→けがき→本裁ちが正しいやり方であった。

何はともあれ、初めて挑戦した風琴マチがうまくできたことは大きな成果であったと思います。

長財布等にも風琴マチは使えるので、今後挑戦してみたいと思います。

また、ヌメ革タンローの染色もうまくいったので、今後の作品の幅が広がった気がします。

ベタ塗だけではなくグラデーションとかにも挑戦してみたいなと思います。

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